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YAMAHA SRX600 |
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YAMAHA
SRX600のエンジンフルO/Hについてです。
こちらでは『パワーの反面に乗りづらさが出てしまい気軽さが損なわれる事があったり…。』っと書きましたが、やっぱりパワーを求めるのはバイク乗りの心情って物。 この車両では乗り方を割り切ってツーリングからサーキットまで、高回転ステージでしっかり遊べるバイクっと言うコンセプトでエンジンを弄りました。
行なった作業はカムシャフトをハイカムにして、バルブ周りにも手を入れ、ヘットのポート研磨。あとボアアップして、加工でハイコンプ化。腰下の方はクランクシャフトの真出し。そしてこの車両にはもともとFCRキャブが取り付けてありましたので、これらエンジンチューンにて変化した燃調を取り直しです。
作業後のグラフはこの様になり、ノーマルマフラーのままでも後輪でこれだけ出れば、結構良い方かなって感じです。
さて、作業風景です。 まずボアアップを行なうので、新品ピストンにあわせてシリンダーをボーリング。
ここでは純正のオーバーサイズピストンを選択しました。 これは「ワイセコ」などの鍛造ピストンに変更しようとしたんですが、それでは圧縮比設定が高くてノッキングなどを起こす事を懸念して、純正を選択。でもそれだけでは面白くないので、面研加工にて数ミリ削りましてSTDの圧縮比から若干ハイコンプ化。
次にヘットです。
バルブ回りは、しっかりさせた方が「吸、排気」の仕事がきっちりするので、バルブガイドの入れ替え、バルブシートカット、擦り合わせなどを行い、バルブスプリングも交換しておき、確実に閉まるように詰めておきます。 この辺をやっておくとキャブレターセッティングの時に楽と言いますか、微妙な調整にもエンジンが答えてくれる感じで、気を使ってあげればあげるだけ走行フィーリングに反映するので、慎重に作業を行います。
そしてエンジンを組み上げ、次にキャブセッティング作業を行ないます。 このキャブレターセッティングの味付け次第で食べ物じゃないですが「生かすも殺すも」って感じになるので、折角のエンジン性能を発揮する様にセッティングを行なっていきます。
そして出来上がり。
外見はノーマルマフラーなので見た目的にはそれ程変化がないかも、ですが、乗ってはホント軽快の一言で、エンジンの吹け上がりは気持ちよく、ハイカムを入れたので低速がモタツクかな?っと心配してた所も全然問題なく街乗りでも使えそうな感じ。 でも、アクセルを開けさえすればノーマルのフィーリングとは違う、ホント楽しい特性を見せてくれて、このバイクを乗って改めて「やっぱりシングルエンジンっておもしい!!」っと思う仕上がりで、万事上手く行ったと言う感じでした。
で、最後に。 やっぱりエンジンをいじる時は、初めに『コンセプト』を決めてから作業する事が重要だと感じました。 「あれもしたい、これも付けたい」と、なにも考えずにつけてしまうと、折角の作業、パーツの良さを消しあってしまう事もありますので、コンセプトを決め作業、パーツを選択していくことが、自分にあったバイクに仕上がる近道だと思いますので、しっかりとコンセプトを決めて作業を進めるのが大切だと思います。
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