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エンジンメンテナンス

作業概要
クランクシャフトバランサー

作業の紹介

Kawasaki ZRX1100
YAMAHA SRX600
BMW K1
HONDA XR250(ME06)
KTM DUKE620
YAMAHA SR500
HONDA XR400

<エンジン雑記>

エンジンの振動とバランス取り。

<作業工程>

・鏡面コンロット仕上げ
・サンドブラスト加工


エンジンの振動とバランス

エンジンが発生する振動には、主に燃焼のズレで起こる振動と、各エンジン構成パーツのズレから発生する振動などが有ります。

燃焼による振動の主な原因としては、空気(酸素)と燃料とのバランス、空燃比がズレている事により、異常燃焼(デトネーション)が起き、その衝撃波が燃焼室内にぶつかる事により振動が発生します。

次に、エンジン構成パーツの振動は、大きくはエンジンの大本「クランクシャフト」周りから発生する振動が原因で、ピストンの往復を支える部分と、回転運動へ変換する部分でのバランスのズレが大きな振動が発生させ、これは多気筒エンジンよりも、単気筒エンジンの方が発生しやすいようです。

この様なズレが回転しているエンジン内で起こったとすると、振動が上下左右に振れるような大きな振動として現れ、それが回転が上がって行くにしたがって大きくなり、ガソリンを燃焼して得た力(出力)が損失し、無駄になってしまいます。

私の経験ですと製造メーカーは、特にシングルエンジン場合では一台一台までは管理しておらず、それぞれの設定する許容範囲内に収めてあるのですが「0」には成ってないようです。

これを、エンジン構成パーツを組み付け後に、釣り合いの取れる様にウェイトを付けてその質量差でバランスを取っていき、振動の発生を抑えます。
これをクランクシャフトのバランス取りと言います。

バランス取りの方法は、往復運動のピストン、コンロット小端部と、回転運動のコンロット大端部、クランクピン部分との、クランクシャフトを中心とした反対方向へ釣り合うように、クランクシャフトにカウンターウェイトを取り付け、その質量にてバランスをとります。

多気筒エンジンでは、このクランクシャフト単体にて専用機器にて計り、ウエイトとの釣り合いを修正する事ができますが、単気筒エンジンのクランクシャフトではこの様な専用の機械がない様です。



単気筒エンジンの場合では、使用するピストン、コンロット、クランクシャフトなどの構成パーツを組み付けた状態にて「静バランス取り」を行い、往復運動のピストン、コンロットとカウンターウェイトとの相対関係と、回転運動のクランクシャフトが円滑に回るようにそれぞれ加工を行い、振動の発生を出来るだけ「0」に成るようにします。
これにより上下の振動が格段に少なくなり、細かい水平方向の振動に変わります。
(精度を高く釣り合いを取っても多少の振動は残ります。これ以上の振動軽減にはクランクバランサーが必要に成ってきます。)


これら、エンジン部のハード的な作業と、キャブレター部のソフト的な作業を行うと、スムーズ且つ円滑に回るエンジンに仕上り、パワー損失がなく、フィーリングはもちろん、レスポンスを向上させる、チューニングの基本で、最も効果的な作業だと思います。